星屑チョコレート【短】
言いたい事があり過ぎて、何から話せばいいのかわからない。


「直帰するんじゃなかったの?」


そんなあたしが最初に口にしたのは、今の状況ではどうでもいいような事だった。


「あれはわざとです。直帰って書いておけば、戻らなくて済むでしょ?」


「は?」


「戻ったら、俺にチョコを用意してくれた女子達から足止めを喰らうかもしれないし、その間に繭さんが帰っちゃったら嫌ですから」


あっけらかんと話した橋本君が、ヘラリと笑って見せる。


「だって俺、まだ繭さんからチョコ貰ってないですし」


ニコニコと笑う彼は、どうやら本気であたしからチョコを貰うつもりらしい。


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