星屑チョコレート【短】
「……甘くないんじゃなかったの?」


濃いめのブラックコーヒーのお陰でようやく落ち着いたあたしは、橋本君に恨みをたっぷりと込めた視線を向けた。


「すみません、嘘つきました」


「あなたねぇ……」


悪びれなくヘラリと笑った橋本君に、忘れ掛けていた苛立ちが蘇って来る。


だけど…


「俺、繭さんの事が本気で好きです。でも、繭さんは一筋縄じゃいかないでしょ?だから……」


昼間と同じ真っ直ぐな瞳に捕らわれて、目が離せなくなる。


「一生記憶に残るように、飛び切り甘くしてみました」


そして、その後で紡がれたバカバカしい言葉には、もう呆れる事すら出来なかった。


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