星屑チョコレート【短】
「そんなの決まってるじゃないですか」


相変わらずニコニコと笑う橋本君が、どこか得意気な表情を見せる。


「繭さんの手作りチョコが欲しいからですよ」


何故、そんなにも得意気なのか。


何故、仕事中にそんなつまらない事を言いに来るのか。


疑問はあるけど、口にするのは億劫で、代わりにため息を一つ落とす。


「去年も同じ事を言ったと思うけど、うちの部は男性社員にチョコを渡す習慣はないから」


「だから、俺には特別に下さいよー。俺、ずっと繭さんの手作りチョコを楽しみにしてたんですよ?」


冷ややかな表情のままのあたしに反し、橋本君はやっぱりヘラリと笑った。


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