【BL】未来からの想い
信じられない言葉ばかりだけど、よく見ると彼の顔に修平の面影が見える。
「……本当に修平?」
もう一度尋ねた僕に彼はゆっくり頷いた。
半信半疑の僕を、修平は再び抱き締めてくる。
「あ、の………」
「成功してよかった。もう一度会えた……。」
「……もう一度って。と言うか、どうしてこの時代に来たんです?もっと昔へ行った方が価値があるんじゃ」
「この装置は生きた時間しか移動できない。過去の自分とトレードするんだ。」
トレード……。
「じゃあ僕の知る修平は……?」
「彼なら今頃…未来という絶望の世界を見てるかな。」
「……絶望?」
「大丈夫。俺が生きてるって事は、この時間の修平も生きてるよ。正直、命の保証はなかったけどね。」
物騒な言葉を軽々しく口にする。
「どうしてそこまでして被験者になったんです?」
「…………必要だったからだよ。この時代の俺に。」