【BL】未来からの想い
彼が消えた場所に代わりに現れたのは、僕のよく知る修平だった。
「……あ、暁?」
「修平、大丈夫?」
命の保証はないとか言っていたから、心配で修平に近付くと、そのまま腕をとられた。
「うわっ――!?」
僕の背に回された腕は微かに震えていた。
「修平?」
「……いなかった。」
「?」
「未来に……十年後に暁がいなかった。」
……ああ、そっか。
だから“もう一度”とか言ってたんだ。
震える体にそっと手を添える。
「絶対なくさない。俺が守ってみせる。あんな世界……二度とごめんだ。」
「………どんな未来でも僕は幸せだよ。だって、修平に愛され続けてるって分かったから。」
そう言うと唇が重なった。
「そう言えば僕たち喧嘩してたっけ?」
「もういいよ。喧嘩なんて二度としない。」
「どうだろうね。」
「しないよ。」
もう一度唇が重なった。
それは誓いのキスのようだった。