隣のぼーいふれんどサマ。


これは動揺なんだ。動揺、動揺、動揺、動揺、動揺・・・


「ふふっ。何動揺してるの、和紗。ちゃんと周り見て歩いてる?もう着いたんだよ?」


よっしゃっ!!


雅に念じたこの、“動揺”がちゃんと伝わった!!(バカ)


ってか、あんたが変なこと言うから、周りなんて見て歩けやしない!!


「じゃ、一人で行ってね。どうなっても知らないから。」


さっきよりも鼓動が早まったので、さっさと切り上げようと、手を離して自分の家の鍵を出した。


「だっ、だめ!!和紗も一緒に来てよ。」


雅がさっき離れたばかりの、あたしの右手を取る。


「何で。」


「・・・今日、遠野くんと一緒に来なかったのは誰かなー。朝、メールしたのになー。」


雅が嫌味たらしくあたしに向かって言う。


脅しですか・・・。


「ね。ほら行くよ、和紗。」


・・・コイツ、最初からこのつもりで・・・。


もう!!何であたし、雅なんかに振り回されてんのよぉぉぉ!!!


ちょうどその時、どこからともなく聞きなれた声があたし達を呼んだ。


「おい、和紗。雅。何公道でイチャイチャしてるんだよ。」


・・・!?

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