隣のぼーいふれんどサマ。
2階の小さなベランダに立ち、柵に登る。
俊哉の家のベランダまでは、飛べばそれまで難しい距離じゃない。
・・・いける。
後ろで見守る聖奈に、右手を振る。
そして渾身を力を振り絞り、柵から足を離す。
あたしの体が一瞬、宙を舞った。
そしてそのまま、俊哉の家のベランダに無事着地する。
ほっ、とため息をつく。
あたしの家のほうでは、聖奈がやっ!!と小さく歓声を上げている。
その声を聞き、窓を軽くノックする。
・・・俊哉ぁ・・・。
あたし、俊哉の隣にいたいよ・・・。
返事はなかったので、窓を引いてみると簡単に開いてしまった。
鍵とかかかってないし。
「おじゃましまーす。」
小声で部屋に入る。
これって不法侵入・・・ってヤツだよね?
まぁ、いいか。
本当は全く良くないけれど。
その部屋は俊哉の部屋と思われる部屋だった。
机と、小さなテーブル、本棚と、ベッドに俊哉。
横になって小さな寝息をたてている。
久しぶりに見る、子供みたいな幼くて可愛い俊哉の寝顔。
微笑んだあたしは、衝動にまかせ俊哉にキスした。