隣のぼーいふれんどサマ。
今までのわだかまりが全てとけたかのように、普通に話すあたし達。
でもあたしの涙は止まらなくて。
ただ隣で黙って、あたしの頭を撫でてくれる俊哉のことが、前よりも好きになった。
あたしが求めていたのは、この優しさであり、この温かさだ。
しばらく離れて、やっと気がついた。
あたしには俊哉が必要なんだ。
「っつーか、お前窓から来るとかありえない。」
「だって、正面からだと無理だったじゃん!」
「まぁな。エリカさんいたしな。仕方ないな。」
俊哉の口から“エリカさん”という言葉が出て、ドキっとする。
「あのさ・・・エリカさんって・・・。」
「・・・まだ話せない。大事なことだから。」
・・・。
「・・・うん。わかった。」
こういうところは真面目だから、本気なのが伝わる。
エリカさんのこと、いっぱい聞きたいけど我慢するよ。
「まぁ、でも・・・辛い思いさせたしな。少しだけ話すよ。」
思いがけない俊哉の言葉に、あたしは頷くことしかできなかった。