隣のぼーいふれんどサマ。
少女が必死に手を伸ばしている。
奥でうなだれる男に向かって、必死に泣き叫び、手をのばす。
・・・これは、あのオレンジの・・・。
少女は何かを叫ぶ。
それは男の名前なのか、男がその度に反応し、声を出す。
しかしその声は少女を助けた男二人には、届かない。
少女がまた叫ぶ。そして男の方へ行こうとする。
その都度、男二人が少女を抱きかかえ、オレンジに向かうのを止める。
そこで気がついた。
取り残された男の前に、二人の大人。
一人は男性で、もう一人は女性だ。
これは、少女の両親?
この時点で、女性は全く意識がないように見える。
男性も、ほぼ意識がないような状態だ。
どんどん、その三人を囲むオレンジが強くなる。
・・・あ・・・
前に座る男性が、何かを呟いた。
それは声にならなくとも、あたしにはわかった。
その言葉が、その顔が、あたしの記憶に存在する一人の男とピッタリ重なった。
その瞬間・・・オレンジが爆発したかのように、視界を包んで・・・