隣のぼーいふれんどサマ。


・・・久しぶりの自分の家。


時計は動いているけれど、カレンダーは7月のまま。


でも、あまり汚れていない。


「あ。勝手にカズがいない間、掃除しておいた。」


さらっとそういうことしてくれるところが、俊哉の良い所だなぁ。


「あ、ありがと・・・。」


なら、カレンダーめくってくれてもいいのに。


何か不思議なことをする俊哉が面白くて、笑ってしまった。


「・・・何笑ってんだよ。」


「別に?そういえば結局、俊哉の部屋まだつくってなかったね。早くつくっちゃお。」


あの時風邪をひいて、そして話さなくなったから掃除の途中のままだ。


「その前に。」


え?


「・・・訊きたいことがあるんだろ。」


どういうこと?


そう言ってリビングの隣の和室から連れてきた人は・・・


「・・・恵梨香さん・・・。」


和室から俊哉が連れてきた人は、あたしを極端に嫌う恵梨香さんだった。


「え?!何で恵梨香さんが?どういうこと俊哉?!」


「俺が呼んだ。カズが会いに行く、って決めてたみたいだから。」


そうだけど・・・


ちらっと恵梨香さんの方を見ると、恵梨香さんは下を向いている。


その姿は事故の前まで、あたしに向けられていた姿と比べ物にならないくらい、酷く落ち込んだ姿だった。

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