隣のぼーいふれんどサマ。


「え、いやあの・・・。こちらこそ、あたしの身勝手な行動で恵梨香さんを巻き込むように傷つけてしまって、ごめんなさい。」


「和紗さん・・・。」


「あたしあのとき、どうにかしてました。ただ俊哉を止めたい一心で動きました。自分勝手すぎましたよね。結局こうやって恵梨香さんを傷つけて・・・。」


この気持ちに合う言葉が出てこなかった。


あたしが黙ると、俊哉がかじるクッキーの割れる音だけが響いた。


「違うわ。」


その沈黙をやぶったのは、恵梨香さんだった。


「違う。あれはあたしが悪かったの。和紗さんは悪くない。あれからいろいろ考え直したの・・・。今このまま和紗さんが亡くなったら、あたしの誓いは叶う。でも、これでいいのだろうかって。」


恵梨香さんの誓い。


それは聖奈から聞いたアレだろうか。


「私は絶対に仇討ちをするんだ。絶対に許せないあの人・・・つまり和紗さんをを殺すまで私は生きるんだ。・・・そう誓ったの。」


あたしは頷きで返す。


「でもね、何も覚えていないあなたを今殺したところで意味がない。そのことに気づけた・・・。」


恵梨香さん・・・。


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