隣のぼーいふれんどサマ。


「あなたのことは、今でも許せない。何があっても許せない。でも、それを彼は・・・智くんは望んでないはず・・・。だから、もういいわ。」


え━━━━


一瞬時が止まったように感じた。


どういうことですか?


“ソレヲカレハ・・・トモクンハノゾンデナイハズ・・・。”


トモクンって、まさか・・・


訊きたいのに、声が出ない。


何も言えない。


「あ・・・ああっ・・・」


「どうした、カズ。」


「嘘・・・トモクンって・・・」


トモクン。


前にその響きを一度だけ聞いたことがある。


俊哉の口から。


あれはいつだっただろうか。夜中に聞いた俊哉の寝言。


「とも・・・にぃ・・・」


「・・・ごめ・・・。でも、忘れて・・・・な・・・い・・・」


あのときの俊哉の涙が心に残っている。


しかも、あたしもその人を何となく知ってる気がする。


どういうことなの?

< 174 / 205 >

この作品をシェア

pagetop