隣のぼーいふれんどサマ。
そーっと二階の寝室の扉を開ける。
LEDが明るく俊哉とワイドダブルのベッドを照らす。
この部屋はかつて両親が使用していた部屋だ。
でも整理もできなくて、ずっとそのままにしてある。
あたしに気がつくと俊哉は眠たそうな眼をこすり、手招きをした。
「早かったな。ほらこっち来いよ、カズ。」
あたしは恐る恐る俊哉の方へと向かう。
“・・・何やってんのよ、和紗。きっとこの人は5年前とは違う、ひとりの男なんだよ。”
心ではそう思うけれど、足が勝手に動いて、あたしを俊哉の方へと近づける。
まるで引き合う磁石のように。
分かってる。分かってはいるけれど、心が俊哉を求めてる。