隣のぼーいふれんどサマ。
・・・変な話だよね。だって今日、さっき会ったばかりの人なのに。
あたしは意を決して、なるべく俊哉から遠いベッドの端へ入る。
あたしの心中を知ってか知らずか・・・俊哉の細身ながらもしっかりとした腕があたしの体にまわる。
「ちょっと、俊哉っ。」
「バカ。このくらいのことはカズだって考えてただろ?」
・・・九分九厘、当たってはいる。
「じゃ、電気消すぞ。」
「あっ、待って!・・・お願い電気消さないで。」
スイッチに伸びた手を必死に止めた。
「何でだよ。」
「あたし・・・駄目なの。暗いとどうしても不安で・・・。」
あたしは両親のことがあってからひとりで平気だった。
だがしかし、暗いのだけは駄目だった。
あれから、両親が亡くなってから3年間ずっと、寝るときも電気をつけっぱなしで眠っていた。