隣のぼーいふれんどサマ。


「まだ子供で、仕事とかもこれからしなくちゃならねぇし、辛い思いもいっぱいさせると思うけど、その3倍、5倍、100倍以上幸せにするから。」


あたしは黙って頷く。


「もし嫌になったら「もう嫌だ」って言っていい。まぁ、カズは俺に惚れてるからそんなことないだろうけどな。」


また頷く。


「・・・聞いてる?」


「っ聞いてるよ、バカ!!」


あたしは俊哉を抱きしめた。


本当に正真正銘のバカだよ。


こんなあたしみたいな人を好きになって、しかも18歳になってすぐに結婚しちゃうとか、バカのやることだよ。


でもね、そんな俊哉をあたしは・・・


「愛してるよ。カズ、ずっと一緒にいような。」


あたしを抱きしめる俊哉の腕が、より一層力を増した。


「・・・うん。あたしも俊哉のこと・・・愛してるよ。」


今溢れるのは喜びの、幸せの涙。


そのまま長い長いキスを交わす。


今この時点ではまだ、ぼーいふれんどサマの俊哉のことを、誰よりも大切にします。


だから、見守っていてください。


心の中でここにいない皆に誓う。


返事が聞こえたのは、気のせいじゃないよね?


「明日、全部の欄が埋まったら、出しにいこうな。」


「っうん!!」


時計を見ると、時刻はちょうど日付が変わる頃だった。


5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・


そして日付が変わり、今日はもう7月19日。


あたしは今日、遠野 和紗になります。


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