隣のぼーいふれんどサマ。


「これから毎日よろしくね、奥様。」


いつもの不敵な笑み。


いつかこれにも慣れて、怯えなくなる日が来るのだろうか?


「こ、こちらこそよろしくお願いします・・・。」


もしかして前途多難?急に未来が恐ろしくなった。


うつむくあたしの頭をポンポンってして、頬に軽くキス。


ここ普通に公道ですけど!


「大丈夫だろ。後悔するくらい絶対に幸せにしてやるから。」


///!!


あれ?あれれ?


なんでこんなにも、いつもの俺様が嬉しいの?!


・・・まぁ、もう何でもいいや。


これからもあたしは俊哉と、心の中の智也お兄ちゃんと、生きていく。


雅や聖奈、恵梨香さんとも生きていく。


もちろんパパとママと、潤哉さん、麻衣子さんだっている。


皆でこの幸せを分けて、幸せに普通に生きていく。


たとえ、過去に何があろうとも未来が待ってるから。


どんなに辛くたって、悲しくたって大丈夫。


だっていつも、わがままでドSで俺様で最低で最高なぼーいふれんどサマ(今は旦那サマだけど)が、隣にいるから。


ね、そうだよね?


あたしは空に向かって聞いてみる。


やっぱり返事が聞こえたような気がした。


「何やってんだよ。ほら早く帰るぞ。」


あたしの左手をとる俊哉の右手は温かかった。


「うん!!」


この手は死ぬまで離せない。離さない。


「・・・俊哉。大好きだよ。」


物珍しそうな顔を一瞬だけして、すぐにいつもの俺様顔をする。


「愛してる、の間違いだろ?」


ムカツクけど、あたしはこの人を愛してしまっている。


この、隣のぼーいふれんどサマを。


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