隣のぼーいふれんどサマ。


正直な話、まだそこまでならよかった。


でもそんな俊哉の隣にいるのは、あたし。


もちろん女子からの視線が痛い・・・。


この三日間で上靴を隠されたり、教科書への落書きはもちろんのこと、ジャージだってなくなったし、机はいつも水浸し。


漫画みたいだなって自分でも思っちゃったくらい。


一番辛かったのは、昨日のこと。


よくある話だけど、トイレに呼ばれて蹴られて殴られて・・・最後に水ぶっかけられるし。


その挙句、「遠野君はあんたになんて興味ないんだから、調子乗るんじゃないよ。」と言われた。


別にあたしだって、調子にのってたわけじゃないから、だから・・・


・・・・泣きたかった。


でも泣けないと、泣いてはいけないと思ってた。


そんなあたしは家に帰って、俊哉の顔を見た瞬間に涙が溢れてきてしまって・・・。


俊哉の胸に飛び込んで、子供みたいに大泣きした。


「何があった。」


あたしは今日まであったことを全て話した。


あたしが何をしたっていうの?


何もしてないよ。ただ5年ぶりに会った俊哉と一緒に毎日を過ごしていただけじゃない。


正直強がって笑っていたけれど、本当は辛くて仕方がなかったから。


あたしの話を全て聞いた後、俊哉はあたしを優しく抱きしめて、目尻に溜まった涙を拭いながら言った。

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