隣のぼーいふれんどサマ。


気づけば、またソファでうたた寝をしていたらしい。


時計の針が指す時刻は午後9時。


夜ご飯を作る気にもならず、着替えてすぐにベッドに入った。


ワイドダブルベッドに一人。


隣に俊哉はいない。


今頃、何してるのかな?


気になったので、ケータイに電話してみる。


どうしても俊哉の声が聞きたかった。


・・・ただ、それだけだった。


呼び出し音が3回鳴って、カチっという音が耳に届くのを待ってから、あたしは喋り出した。


「もしもし。俊哉?今どこ?」


明るい声で聞いてみる。


俊哉のテノールボイスの返事を待った。


だが、しかし。


聞こえてきた声は思いがけない声だった。

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