隣のぼーいふれんどサマ。



誰なのよ、あの“セーナ”って。


どんどん記憶の俊哉が薄れていく。


優しくて、面白くて、まるでお兄ちゃんみたいな・・・





「うっ・・・。」


突然、頭痛が激しさを増した。


まるでハンマーで頭を割られているような。


「ぅあぁっ・・・!」


どんどん頭痛は酷くなるばかり。


何・・・?!


偏頭痛持ちではあるが、いつもの痛みじゃない。


痛みで思わず目を閉じると、何故か残像が見えた。




いつもの夢だ。いつもの夢が音声無しで、映像だけ。


ランドセルを背負ったポニーテールの少女と、その母親。


そして・・・


プリンを差し出す一人の男性。


その残像はいつものあの場所で止まって、また違うものが見えた。





ハンマーでガラスを割る白い服と赤い服を着た2人の男性。


その周りはやけに明るく、オレンジが広がっている。


そのガラスの向こうにいるのは・・・




顔にいくつも火傷みたいな傷を負った、いつものポニーテールの少女・・・。

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