隣のぼーいふれんどサマ。
目に溜まった涙が溢れるのと同時に、俊哉の柔らかい唇があたしの唇に優しく触れる。
一度離れて、もう一度。今度は強く。
そして、座っていたベッドにゆっくりと押し倒される。
あたしは何の抵抗もしなかった。が、しかし、一応聞いて見た。
「・・・何で・・・。」
返ってきた答えは明白だった。
「好きなヤツにキスしたいのに、理由なんて要らないだろ。」
あたしはその言葉に黙って頷いた。
それがあたしの質問に対しての、俊哉の答えだったのかな?
ちなみにその後、セーナとしたであろう行為はなかった。
そんなことしなくてもいい、と俊哉の目が語っていたから。
大切な、大好きな人の隠しごと。
辛いけれど、一緒に生きていくうえで仕方のないこと。
だからあたしのあの夢については相談しない。
大好きだからこそ、干渉しない。
この距離が一番いいんだ、と教えてくれたんでしょう?
隠しごとと夢。
あたしたちの本当の心の距離がはっきりした瞬間だった。