隣のぼーいふれんどサマ。
コーヒーカップを乱暴にテーブルに置くと、俊哉はあたしの手を掴み、思い切り睨みつけた。
「いい加減にしろよ!!聞けって言ってんだろ!!」
今までならここで泣いて謝っていた。
でも今は違う。
「・・・さっき言いたいことあるなら言って、って言ったとき俊哉は何もないって言った。なのに何で今さら言おうとしてるわけ?」
冷静かつ、沈着な態度で俊哉のきつい目を見返す。
「それは・・・」
「自分勝手だと自分でも思う。けど、俊哉だって同じくらい自分勝手だよ。」
俊哉は黙ってあたしから手を離した。
・・・さっきの言葉が脳内をよぎる。
「この手、死んでも離すつもりないから」
信じてたよ。・・・ううん、信じてる。俊哉のこと。
でもあたし、バカだから。
こうでもしないと、強くなれないから。
「よし、食器洗っちゃわないと。」
わざと大きな声を出して、キッチンへと向かう。
そうでもしないと涙が零れてしまいそうだったから・・・。