隣のぼーいふれんどサマ。


思考回路が停止した。


いつも通り家に帰ってきたあたしを待っていたのは、誰だかわからない男の人。


その人は自分の家で勝手にくつろいでいて、突然のキスをした。


しかもそれは誓いのキスだぁ?


いや、何も誓ってないし!


それに加えて・・・お前は俺の彼女だ・・・?


心を落ち着かせて訊く。


・・・と言っても落ち着くはずはないが。


「あの・・・とりあえず、誰ですか・・・?」


「ん?俺のこと覚えてないんだ。あ、そう。」


彼は何事もなかったかのように冷たく言い放ち、コーヒーを飲んだ。


覚えてないって・・・こんな人あたし知らないし!!


「あの!あたしはあなたのことを知りません!早く出て行ってください!」


「ふ~ん・・・。知らないって言った?“覚えてない”の間違いだろ。俺は覚えてるよ。この5年間ずっと、お前のことを忘れたことはない。」


・・・え・・・?


彼が言った言葉は思いがけない言葉だった。

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