隣のぼーいふれんどサマ。
ふっ、と足の力が抜けた。
気がつけば頭痛も先ほどよりもおさまっている。
“ともにぃ”って誰・・・?
何を、忘れてないっていうの・・・?
最近、特に俊哉が帰って来てから頻繁に起こるようになったこの変な頭痛。
これと何か関係があるの?
隣を見れば、俊哉がまだ身悶えて・・・。
目元にキラリと光る何かが見えた。
それは俊哉の涙だった。
どうして泣くの?
それほど苦しく、切ないことなの?
その涙は零れ、一筋の光として頬を伝っていく。
それは何度も、何度も。
「泣かないでっ・・・。」
そういえば謝ってた。
「ごめん」って・・・。
何があったの?
俊哉の涙を見たのは、5年ぶりだった。
あの日、別れのとき。
アメリカ行きの飛行機に乗る寸前、満面の笑みとともに見せた一粒の涙。
・・・泣かないで。
あたしは何もできずに、ただ俊哉の手を握り続けた。
そしてそのまま、床で眠りについた。