隣のぼーいふれんどサマ。
意地悪を言いながらも、あたしの上から降りてくれた俊哉の肩を叩いて、すぐにキッチンへ向かい、朝食を作り始める。
冷蔵庫にあまり食材がなかったので、とても簡易的なものばかりになってしまったけれど。
それでも俊哉は「美味い」って食べてくれた。
食器を洗い終わって自分の分のコーヒーを淹れ、リビングへ戻ると、俊哉がテレビを見ながらスコーンをかじっていた。
それを見て、コーヒーを俊哉の分も淹れてあげる。
「はい。砂糖、入れておいた。」
いつの間にか俊哉専用となった、あたしのお気に入りのコーヒーカップを手渡す。
「ん。食うか?スコーン。」
「ううん。・・・それより聞きたいことがあるの。ちょっといい?」
「何だよ。早く言え。」
俊哉は舌打ちをしながらテレビを消して、スコーンを一口かじった。
「昨日、夜中に俊哉が寝言で言ったことなんだけど。」
「何だよそれ。何て言った?」
「・・・“ともにぃ”って。」
あたしの口からその言葉がはっきりと出た瞬間、コーヒーカップに手を伸ばしていた手がピタッと止まった。
明らかな動揺だった。