隣のぼーいふれんどサマ。


涙を拭い、ベッドから降りる。


まだこの時期の朝は肌寒かった。






━━━━あれからどれだけ月日が経ったのだろう。


あたしが俊哉の彼女だと勘違いしていた少女、宮谷 聖奈は、何日間かをあたしの家で過ごした。


聖奈と過ごしたのは本当に短い期間だったけれど、なんか気が合ったみたいで、仲良くなれた。


俊哉でさえ4、5年かかったという聖奈の心をたった2、3日で開かせたということが嬉しかったんだ。


聖奈は生意気だけど、3つも歳下なのはあるし、何より可愛いし。


結局ケータイの電話番号と、メールアドレスを交換して、フランスへと帰って行った。


この一言をあたし達に残して。


「俊くん。カズちゃんを泣かせたりしたら許さないからねー」


「カズちゃん。またすぐ帰ってくるからね?待っててね?メールも電話もするからね!俊くんのこと、面倒くさいと思うけどぉ・・・よろしくね」


空港まで見送り、フランス行きの飛行機が空に消えた頃に、隣の俊哉が口元を緩めながら言った。


「カズのこと、だいぶ気に入ったみてぇだな。」


「そうだね。嬉しい。」


「・・・俺的には全く嬉しくねぇ。」


俊哉、ごめん。


さらっと発した言葉の意味、そのときはわからなかったんだよね(笑)


今はわかるけれど。



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