隣のぼーいふれんどサマ。


結局、あたしの体は本当に熱かった。


俊哉の変態発言(仮)の後すぐに、その部屋を出て寝室へ行った。


無論、俊哉のお姫様抱っこで。


「黙って寝てろ。」という俊哉の言葉通りに寝転がっていると、俊哉があるものを持って帰ってきた。


あるものとは、コップ一杯の水と、薬、体温計だった。


言われるがままに熱を測ると、体温計は38、8度という数字を表した。


そう。


全く気がつかなかったけれど、あたしは熱を出してたみたい。


体温計を差し出すと、俊哉は重いため息をついた。


「ったく。さっきの変態発言の撤回と、早く風邪を治すこと。わかったな?」


「・・・はい。あ、そういえば何で風邪だってわかったの?」


「あ゛?・・・昔からこの時期に絶対風邪ひくだろ、カズは。」


・・・そんなこと、覚えていてくれたの?


嬉しい気持ちと、有難い気持ちでいっぱいになる。


「じゃ俺、下にいるから。何かあったら呼べ。」


「うん。ありがとう。」


微笑んで寝室から出ていく。


その微笑みはとても優しかった。

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