隣のぼーいふれんどサマ。

思い出された?記憶。





誰かがあたしの隣にいる。


窓の外に見える空は、太陽が真上にあり、雲も少ない。


カレンダーは6月を示していた。


あたしは自分の部屋のベッドで寝ているが、苦しんでいる。


あぁ、そうか。


これは何年か前の風邪をひいたときのあたしだ。


「ま・・・ま・・・。」


ママを呼ぶ。


そのとき、隣にいる誰かが、あたしの手を優しく包む。


温かい手だ。


その手が、あたしの手の熱を奪っていく。


しかし、その手はママの手じゃない、温かい手。


手の温かさは、夢なのに何故かとてもリアルだ。


パパ?


違う。パパはこんな昼間に家にいない。


誰・・・?


「大丈夫。ここにいるよ。大丈夫だから。」


その声の持ち主が、あたしの額の汗を拭う。


「・・・ゃ・・・」


小さいあたしがその人の名前を呼ぶ。


「ん。俺はカズの隣にいるよ。」


優しい声。


誰なの・・・?


「「カズ。」」


誰かがあたしを呼ぶ。


この声は誰・・・?



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