隣のぼーいふれんどサマ。


「・・・俊哉。」


「あ?」


「やっぱり、今日は学校行って?」


「はぁ?なんでだよ。さっきその話は片付いただろ。」


「やっぱり駄目。学校行って。あたし、一人がいいの。」


「急にどうしたんだよ、カズ・・・。」


俊哉があたしの肩に触れる。


「やっ!!」


あたしはその手を払った。


「やめて、変なことしないで。いいから行ってよ。早く!」


俊哉がため息をつく。


最近分かり始めた。


俊哉が重いため息をつくときは、本気で怒っている時だ。


「・・・わかったよ。行けばいいんだろ。」


俊哉が傍らにあったリュックを手に取り、あたしを睨みつけた。


「今の言葉、絶対覚えてろよ。後で後悔しても知らねぇから。」


「馬鹿じゃないの?あたしが後悔なんて」


バタン!!


あたしの言葉を切るように、俊哉が出ていく玄関扉の音が響いた。


・・・これでいいのかな?


俊哉、本気で怒ってた。


脳内を、最後に見たあの怖い顔をした俊哉がよぎる。


これしか方法が見つからない。


こうやって突き放すしか、俊哉を幸せにしてあげることができない。


こんな最低なあたしを許して・・・。




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