隣のぼーいふれんどサマ。

傘と3回目のキス。




その日、俊哉は帰ってこなかった。


でも一階のリビングの窓から、俊哉がちゃんと自分の家に帰るのを見れたから、安心している。


これでいいんだ。


もう、泣かないよ。


俊哉、いままでありがとう・・・。





あたしは風邪が完全に治った頃、久しぶりに学校へ行った。


もちろん、「久しぶり!大丈夫だった?心配したよ。」などと声をかけてくれる友達はいない。


むしろ、「うわ、あいつ来たんだ。来なくていいのに。」という声のほうが圧倒的に多い。


また孤独な学校生活が始まるだけだ。


いつも隣で笑ってくれた俊哉も、まだ来ていない。


当たり前だよね。


急にあんな風に突き放したんだから。


あたしは一人で大丈夫。


あたしはずっと一人だもん。


誰も友達なんていない・・・


「かーずさっ!!」


「きゃぁぁっ!!!」


急に後ろからある人に抱きつかれた。


そうだ・・・。


コイツの存在を忘れていた・・・。

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