隣のぼーいふれんどサマ。
この大ノ宮高校で、あたしは友人は誰ひとりいないと思ってた。
ただひとり、コイツを除いては・・・。
いや、あたしは友人だと思っていない。
だから、やっぱり友人と呼べる人はいない。
コイツは、あたしに話しかけてくる珍しい奴。
入学してきたとき、席が隣だったのが失敗だったと思う。
コイツのせいであたしは、女子に避けられ続けたんだから!!
「もー、学校ずっと休んでたから、ついに登校拒否かと思ったよ?」
男子とは思えない、割と高めの声が耳に入ってくる。
ついに登校拒否って・・・。
女子みたいな可愛い顔して、えげつないことを言い捨てる。
「登校拒否じゃなくて風邪だから。っていうか、離せ。」
「えー。だって久しぶりなんだもん、和紗に抱きつくの。」
「いいから離せ。殴るよ、殴って欲しいの?あんたドM?」
「和紗になら殴られてもいい!」
・・・あたしの周りには変態しかいないのか・・・?
そう。
この変態で、ドMで、女子みたいに可愛い男子。
この大ノ宮高校であたしに話しかけてくる、俊哉以外にひとりしかいない人。