star light.
「退院おめでとう!」
美緒は無事に退院した。
たまたま仕事が休みだったので、車で病院まで迎えにいった。
「ねえ拓也、デートしよ!ドライブデート!」
美緒は久々の助手席に興奮気味にそう言った。
「ダメ。暫くは安静にしてないと、イケメン先生に言われたんでしょ?」
「え〜…お願い。絶対無理しないから。ダメ?」
泣きそうになりながら俺を見つめる美緒。
「…そうだよね。ごめんね、我慢する。」
美緒は涙を隠すように窓の外を眺めた。
「…絶対無理しない?ちゃんと言う?強がらない?」
俺が折れた。
すると美緒の顔が一気に明るくなった。
「…いいの?」
「なに急に遠慮してんの?顔に出てるよ!」
信号で止まったので、美緒の頬の涙の跡を手で拭った。
「…ありがと。」
「ただし、はしゃがないこと。」
「うん!守る!絶対はしゃがない!」
嬉しそうにはしゃぐ美緒が可愛かった。