star light.
「今日はありがとね?」
砂浜に落書きをしながら美緒は言った。
「なんだよ、改まって。」
「アタシ幸せ、ほんっとーーに幸せ!拓也と一緒に来れてよかった。拓也、ありがとう。」
「どうした?」
普段の美緒は絶対にこんなことは言わない。
「だって、もうすぐ言えなくなっちゃうから。伝えたいことは全部伝えることにした!」
そう言って笑う美緒。
「だから、全部ちゃんと聞いてて?」
美緒は真剣な顔になった。
「アタシが死んでも、絶対立ち止まっちゃダメだから!拓也は素敵な人なんだから、アタシなんかで終わりにしちゃ絶対ダメ!アタシのことなんて気にしないで自分の幸せを最優先してほしいの。でもね、でもね、アタシが生きてる間はね、拓也がよければなんだけど…一緒にいてほしいの。ワガママ言ってごめんね。」
美緒は途中から下を向いて話した。
「アタシね…髪の毛も抜けるじゃん?たぶんどんどん痩せるじゃん?あと、すごくむくむんだって!あんまりね、ブサイクなアタシは見られたくないんだぁ…だから…だからぁ……」
俺は美緒を抱きしめた。
「そんな心配いらないから。髪の毛なくたって、痩せちゃったって、美緒が美緒なら俺は美緒のこと支えるから。もっと頼れ、な?」
そういうと、美緒は声をあげて泣いた。