star light.
「あの…さ。」
「ん、なに?」
美緒が俺の顔を覗き込んでくる。
「これ、プレゼント。」
「え?なに?」
美緒は自分では気がついていないんだろうけど、ニヤニヤしていた。
「あけてみ?」
ペアリングだと最初からバレるのが恥ずかしくて、わざと大きめの袋に入れた。
「うん!」
ガサガサと何重にも包装されている指輪の箱を取り出した美緒。
「開けていいでしょうか…!」
美緒はニコニコしながら聞いた。
「どうぞ!」
その声を聞いて美緒は箱をあけた。
「……めっちゃ嬉しい。」
「えっ?え?!待って、なんで泣くの?!」
美緒は泣いていた。
「だって、めっちゃうれしんだもん…」
ボロボロこぼれる涙に少し動揺した。
「ありがとっ」
「…手だしてみ?」
俺は美緒から箱を奪って、美緒の左手の薬指にはめた。
「…めっちゃ嬉しい。本当ありがとう。」
前の安物のペアリングのサイズより細くなってしまった美緒の指に、同じサイズのリングはぶかぶかだった。
「大きかったね、ごめん。」
俺はやってしまった感に襲われていた。
「ううん、全然嬉しい! だって、拓也が選んでくれたんだもん…それに、これならむくんじゃってもつけられるよ!本当にありがとう!」
美緒はそう言って俺に抱きついた。
美緒を家に送る間もずっと助手席から鼻歌が聞こえていた。