star light.


車椅子はなるべく使わないで横浜の街を楽しんだ。



中華街にも行ったし、みなとみらいでショッピングもした。



美緒がピンクのワンピースを可愛いと言ったのが嬉しくて、それを買ってあげたら喜んでくれた。



桜木町の観覧車に乗りたいと美緒が言っていたので、帰り際に乗ることにした。


そこで用意しているクリスマスプレゼントも渡そうと思う。


もう日が落ちるのも早く、夕方でも真っ暗だからそれなりに雰囲気はでていた。



ゴンドラには向かい合わせではなく、隣に座った。



「今日はありがと。楽しかった。けど疲れちゃった!」



そう言って美緒は笑った。



「そうだよね、疲れちゃったよね。帰りの車は寝てていいからね。」



「あのさ、こんな不恰好なアタシと1日付き合ってくれてありがとう。恥ずかしかったでしょ?」


美緒は今にも泣きそうだった。



「全然そんなことないよ。本当に楽しかった!」



「でも…すれ違う人たち…笑ってたよ…ご飯食べた時も、隣のカップルが笑ってた。"男カッコいいのに女ブス"って笑ってた…ゴメンね…恥ずかしかったでしょ…?」




美緒は遂に泣き出した。



夜ご飯を食べていたとき、運悪く隣のカップルは頭が悪そうな奴らだった。



美緒は終始"おいしい"って食べてたから気付いてないのかと思ってたのに…



「そんな奴らの言うこと気にしなくていいの。俺は美緒の可愛いところいっぱい知ってるから。俺からすればあのギャルのがブスだ。本当に俺の彼女でいてくれてありがとう。俺は幸せもんだよ。」



俺は思っていたことを素直に口にした。
そして泣きじゃくる美緒を抱きしめた。



「ゴメンね…ゴメンね…ありがとう。」


そのありがとうの言葉が嬉しかった。



「謝んな!本当に俺にとって1番は美緒だから。一生。」



美緒は抱きつく腕に更に力を入れた。




「あのさ、クリスマスプレゼント。」



そう言って俺はポケットから指輪を差し出した。



「僕と結婚して下さい。」




< 25 / 51 >

この作品をシェア

pagetop