star light.
車椅子はなるべく使わないで横浜の街を楽しんだ。
中華街にも行ったし、みなとみらいでショッピングもした。
美緒がピンクのワンピースを可愛いと言ったのが嬉しくて、それを買ってあげたら喜んでくれた。
桜木町の観覧車に乗りたいと美緒が言っていたので、帰り際に乗ることにした。
そこで用意しているクリスマスプレゼントも渡そうと思う。
もう日が落ちるのも早く、夕方でも真っ暗だからそれなりに雰囲気はでていた。
ゴンドラには向かい合わせではなく、隣に座った。
「今日はありがと。楽しかった。けど疲れちゃった!」
そう言って美緒は笑った。
「そうだよね、疲れちゃったよね。帰りの車は寝てていいからね。」
「あのさ、こんな不恰好なアタシと1日付き合ってくれてありがとう。恥ずかしかったでしょ?」
美緒は今にも泣きそうだった。
「全然そんなことないよ。本当に楽しかった!」
「でも…すれ違う人たち…笑ってたよ…ご飯食べた時も、隣のカップルが笑ってた。"男カッコいいのに女ブス"って笑ってた…ゴメンね…恥ずかしかったでしょ…?」
美緒は遂に泣き出した。
夜ご飯を食べていたとき、運悪く隣のカップルは頭が悪そうな奴らだった。
美緒は終始"おいしい"って食べてたから気付いてないのかと思ってたのに…
「そんな奴らの言うこと気にしなくていいの。俺は美緒の可愛いところいっぱい知ってるから。俺からすればあのギャルのがブスだ。本当に俺の彼女でいてくれてありがとう。俺は幸せもんだよ。」
俺は思っていたことを素直に口にした。
そして泣きじゃくる美緒を抱きしめた。
「ゴメンね…ゴメンね…ありがとう。」
そのありがとうの言葉が嬉しかった。
「謝んな!本当に俺にとって1番は美緒だから。一生。」
美緒は抱きつく腕に更に力を入れた。
「あのさ、クリスマスプレゼント。」
そう言って俺はポケットから指輪を差し出した。
「僕と結婚して下さい。」