star light.
次の日の仕事終わりに美緒の好きなシュークリームを持って大学病院へ向かった。
どうやら21時までは面会ができるらしい。
ナースステーションで美緒の部屋を尋ねる。
関係などいろいろ聞かれた。
なんと答えていいのか分からず"友人です"と答えた。
4人部屋の奥の右端の外の見えるベットに美緒はいるらしい。
黄色のカーテンで区切られている。
このカーテンの奥に美緒はいるのか…?
勇気が出ずに、何分もそこにつったっていた。
「どうされました?」
「えっ?いや、あの…」
見回りの看護師さんに声をかけられてしまった。
「…拓也?」
カーテンの向こうから美緒の声がした。
「……んな訳ないか。」
小さくつぶやいたその声に俺の胸はギュっと締め付けられた。
「…俺だよ。」
俺はそっとカーテンから顔を覗かせた。
「…え?」
美緒と…目があった。
「拓也…?」
「うん、今日は俺が来ちゃった。」
美緒は約束をしていても、俺の家に来ると必ず"来ちゃった!"といっておどける。
今日はその逆バージョン。
「ハハハ、勝手に来ちゃダメだよ、アタシが浮気してたらどうするの?」
「そいつぶっ飛ばす。」
美緒は目にいっぱい涙を浮かべながら笑った。