Octave~届かない恋、重なる想い~
その日から、結婚式の準備に慌ただしく動き回る日々がスタートした。
もちろん、準備と並行して雅人さんのブログをチェックして、平穏なコメントだけを残すことも続けている。
あれ以来、他の掲示板は見ないことに決めた。
他人が何と言おうと、私達は婚姻届けを提出した夫婦だし、誰にも迷惑をかけていないのだから。
元同僚や友人を招待する都合上、私は短期間で色々な人と連絡を取り合っていた。
するとやはり、親切心からか誹謗中傷めいた書き込みを見たという報告をしてくれる人、嘘か誠か遠回しに確かめようとする人、そういうことには一切触れず、ただ「楽しみにしてるよ」と喜んでくれる人……色々なタイプの人がいることがわかった。
色々なやり取りや準備でちょっと疲れがたまっているところだったけれど、招待状の返信はがきを確認する中で、とても嬉しいメッセージを見つけて、涙腺が一気に緩む。
あの頃の想い、今の気持ち、私の願いを代弁してくれているような優しい言葉が、あの頃より大人びた文字でびっしりと書き込まれていた。
高校時代の親友だった千花(ちか)は、私が雅人さんに片思いしていることを知っていた唯一の存在。
彼女からのメッセージに、こう書いてあった。