Octave~届かない恋、重なる想い~
「わかりました。ただ、急なお話だったので、まだ戸惑っています。
前向きに検討してみますので、3日後に連絡するということで……」
「いや、明日だ。結子さん、携帯を出して」
有無を言わせない強硬な態度で私から携帯を受け取ると、電話帳に登録している。
「明日の夜、俺から電話する。それまでに決めておいて欲しい。
最後にもう一つ。この話を受けなかった時のメリットとデメリットを言っておこう。
メリットは、俺と結婚しなくて済むこと。つまりバツイチにもならない。
デメリットは、君が選挙に立候補して、当選したら政治活動を行わなくてはならないこと。落選したら……もう解るよね?」
ぞくりと震えるような冷たい視線で見つめられて、この人の本性が垣間見えた気がした。
父は雅人さんのこの姿を見抜いた上で「私達きょうだいを頼む」と言ったのだろうか。
前向きに検討してみますので、3日後に連絡するということで……」
「いや、明日だ。結子さん、携帯を出して」
有無を言わせない強硬な態度で私から携帯を受け取ると、電話帳に登録している。
「明日の夜、俺から電話する。それまでに決めておいて欲しい。
最後にもう一つ。この話を受けなかった時のメリットとデメリットを言っておこう。
メリットは、俺と結婚しなくて済むこと。つまりバツイチにもならない。
デメリットは、君が選挙に立候補して、当選したら政治活動を行わなくてはならないこと。落選したら……もう解るよね?」
ぞくりと震えるような冷たい視線で見つめられて、この人の本性が垣間見えた気がした。
父は雅人さんのこの姿を見抜いた上で「私達きょうだいを頼む」と言ったのだろうか。