Octave~届かない恋、重なる想い~
「2班の男子は今すぐせっけんで手を洗ってきなさい。
手順に従ってやれば、腹痛は起こしません。味見担当者は全員です」
なるべく冷静に注意する。
だけど、彼らは一度の注意で素直に従うことが滅多にない。
「やだ、めんどくせ~。俺がやるよりうまいもん作れる奴がやればいいさ」
「そうそう。どうせ食いもんなんて作るより買ったほうが早いんだから」
「買えなかったらどうするの? 震災直後、モノがお店から消えて、外食産業だって停電と断水で休業してたでしょ?」
「ンなもんなるようになるさ。あ~、めんどくせ~。わかったよ、洗って切りゃいいんだろ」
彼らの口癖は「めんどくせ~」と「どうせ」だった。
何という自己肯定感の低さだろう。
聞いていて悲しくなってしまう。
手順に従ってやれば、腹痛は起こしません。味見担当者は全員です」
なるべく冷静に注意する。
だけど、彼らは一度の注意で素直に従うことが滅多にない。
「やだ、めんどくせ~。俺がやるよりうまいもん作れる奴がやればいいさ」
「そうそう。どうせ食いもんなんて作るより買ったほうが早いんだから」
「買えなかったらどうするの? 震災直後、モノがお店から消えて、外食産業だって停電と断水で休業してたでしょ?」
「ンなもんなるようになるさ。あ~、めんどくせ~。わかったよ、洗って切りゃいいんだろ」
彼らの口癖は「めんどくせ~」と「どうせ」だった。
何という自己肯定感の低さだろう。
聞いていて悲しくなってしまう。