Octave~届かない恋、重なる想い~
「納得できた?
 君は結婚に夢も希望もあったと思うけれど、それはとても脆いものなんだ。
 でも、もしもお互いを信頼できる時がきたら……本当の結婚に昇格させるっていう方法だってある。
 まだ、俺にはその覚悟がないし、君だって好きな男が忘れられないんだろ?」

「……はい」

「特に俺は、子どもを育てるのは、全く自信がない。
 どうやって子どもを可愛がればいいのか、わからないんだ。
 元々結婚願望なんて全くなかったけれど、特に子どもは欲しいと思ったことすらない。
 君は子どもが好きか?」

「大好きです。
 子どもが好きじゃなきゃ、この仕事は続けられないと思います」


 「めんどくせ~」と「どうせ」が口癖、いつもネガティブな子ども達だけれど、私は生徒たちが可愛いと思っている。
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