Octave~届かない恋、重なる想い~
父の病室はここの一番奥の個室。
病室前で、やっと手を離してくれたと思ったら、消毒を済ませてまた手を繋がれた。
さすが、演技が徹底していると思った。
「お父さん、入るね」
私が先に声をかけて、病室のドアを開ける。
かすかに父の「うん」という声が聞こえた。
声をかけたのは私だけれど、病室へ先に入ったのは雅人さん。
手を繋いで病室へ現れた私たちを見て、父は驚いた顔をしていた。
それに気づいてはいたけれど、私はいつもと同じように声をかける。
「お父さん、気分はどう?」
病室前で、やっと手を離してくれたと思ったら、消毒を済ませてまた手を繋がれた。
さすが、演技が徹底していると思った。
「お父さん、入るね」
私が先に声をかけて、病室のドアを開ける。
かすかに父の「うん」という声が聞こえた。
声をかけたのは私だけれど、病室へ先に入ったのは雅人さん。
手を繋いで病室へ現れた私たちを見て、父は驚いた顔をしていた。
それに気づいてはいたけれど、私はいつもと同じように声をかける。
「お父さん、気分はどう?」