Octave~届かない恋、重なる想い~
 実は私だってこの位のアピールはするんだから。

 やればできるという事だって、アピールしたかった。

 やや言葉数が少なくなった車内に、FMラジオの陽気な音楽が流れてきた。

 パーソナリティが、午後8時半を知らせてくれる。

 これから、母に報告をして、最後に私の家の近くにある洋食屋さんで晩御飯を食べることになった。

 時間が遅かったので、母には玄関先で簡単に報告して、後日改めてきちんと挨拶すると告げた。

 母も、雅人さんに深々と頭を下げ


「ふつつかな娘ですが、これでも愛情かけて一生懸命育ててきました。
 どうか、末永くよろしくお願いします」


 と、言われた。
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