初恋シグナル~再会は恋の合図~
「は、離して!」
「なんで泣いてたのか答えたら離してやるよ」
「!?
だ、だからそれは、目にゴミが…!」
「嘘吐くなよ!!」
唐突に声を荒げた辻村くんに、私の体はびくりと竦んだ。
……怖いよ。
どうして、怒るの…?
なんで私、怒られなきゃならないの…!?
「……なによ…!辻村くんが先に嘘吐いたんでしょ…?」
「は…」
「あんなの、私だって気付くよ。
あの子、辻村くんにとって大事な子なんじゃないの?
……彼女なんじゃないの…?」
それなのに、知らない、なんて。
そう言うと、辻村くんが私の手首を捕えた力が微かに緩んで。
バツが悪そうな顔になる。
……それだけで、私の言葉を肯定してるって、わかってるのかな。