初恋シグナル~再会は恋の合図~
わりと街中にある高校よりは幾分気温が低いはずの、山中にある合宿所。
私たちサッカー部は、そこに夏休み初日から3泊4日で合宿に訪れている。
「さすがに今回はみんな気合い入ってるねー」
一紀先輩の声に元気よく返事をした部員たちを見て、美涼先輩は笑った。
私もつられて微笑む。
確かにね。
いつもならもっと気の抜けた感じなんだけど、今日はまるで違うチームみたい。
気合いだけなら。
プレーはね、さすがにそこまで一変するなんてできないけど。
────というのも、今回の合宿には重要な意味がある。