初恋シグナル~再会は恋の合図~

「なーにそんな頭振ってんの?」


「わああっ!」


いきなり横から笑いを噛み殺したような声が聞こえ、完全に誰もいないと思って油断していた私は驚いて声を上げていた。



「しゅ、瞬くん!!」



声のした方を見れば、外で練習しているはずの瞬くんの姿があった。



「なんでここにいるの!?」



「それより美祈が激しく頭振ってた理由の方が気になるんだけど」



くいっと可愛らしく首を傾げる瞬くんに、私はかあっと顔が熱くなった。


そ、そんなに怪しい行動だったかな、なんて。


ていうか、辻村くんのことを考えてたなんて言えるわけないし、私は笑って誤魔化すことにする。



「あはは…、いやいやなんでもないですよ!
そう言う瞬くんはもしかしてサボり…なわけないし、どうしてここに?」



「俺?俺はー、はい!」


「へ?」


一歩、近づいてきた瞬くんは片手を差し出してきて、その手の上に乗っていたのは間違いなく私のハンカチだった。


「え。あれ?」


それを受け取りながら、私は不思議に思って首を傾げる。


いつのまに落としたんだろう?

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