初恋シグナル~再会は恋の合図~
「さっき成島ちゃんに話しかけたときに落としてったよ?」
「え、ほんと?もしかしてずっとポケットからはみ出してたのかな。
ごめん、ありがと」
受け取ったハンカチを、今度は落とさないようにしっかりポケットにしまった。
「合宿、今回みんなかなり気合い入ってるよな」
「だねー」
やっぱり、瞬くんから見てもそう見えるんだ。
そう思って、あははと笑った。
「ま、俺は関係ないけどね」
余裕の表情を浮かべる瞬くんに、私はまた笑ってしまう。
1年生のときからレギュラーの瞬くんには、たしかにあんまり関係ないのかもしれない。
辻村くんとも違うポジションなわけだし。
きっといつも通り、当然にユニフォームが与えられるんだろうと思う。
むしろ、瞬くんからすれば今の10番の先輩より、辻村くんが10番になってくれた方がいいとか思ってたりして。
……なんて。