初恋シグナル~再会は恋の合図~
「1点、と、とった……!!」
ナイスアシスト、と瞬くんが辻村くんの肩に腕を回し、逆の手でぐしゃっと頭を叩いた。
そんな瞬くんに、笑顔で応える辻村くんに。
私は、どうしようもなく、胸がぎゅうって痛くなって。
……どうしてか、泣きたい気持ちになっていた。
「やった!!やりましたよ、美祈先輩!!」
「うん……!」
嬉しい。
本当に、嬉しい…!
「ナイスパスっすね」
ライン際の辻村くんの言葉が私にも届いた。
その言葉に、松田先輩はふっと笑う。
「これくらいで満足してるわけないよな?
……もう1点、行くぞ」
「当たり前ですよ」
力強くそう答えて、辻村くんは再び自分のポジションに戻っていく。
ちらりとベンチを見た辻村くんと、一瞬目が合った気がした。