初恋シグナル~再会は恋の合図~
「もー…」
「それよりさっさと問題解け」
「……はーい」
私は抵抗を諦めてシャーペンを握り直した。
「………」
シーン、と静寂が下りて、ちらりと横目で隣で勉強する辻村くんを盗み見る。
真剣に問題集に取り組む表情に、キュンと胸が震えた。
暑い暑い言ってるけど、暦の上ではもう秋も間近の9月の終わり。
厳しい残暑にひーひー言ってる私だけど、もちろん部活ではそんな泣きごと漏らさないようにしている。
今はテスト期間で部活が休止中。
前回に引き続き、日本史を教えてもらってます。
なんて言ったってこの人、前回のテスト学年トップだったからね!
まぁ、点数見た時点でそんな気はしてたけど!