初恋シグナル~再会は恋の合図~
このままの雰囲気で大会に臨めたらいいと思う。
まぁ、そのまえにテストをやっつけなきゃなんだけどね。
本当は部活のことを考えたいけど、無理やり日本史に思考をシフトする。
「んーーー」
シャーペンをこつこつとノートにぶつけ、なんとか思考を回転させようとするけど、やっぱりどうしても問題の答えが思い浮かばない。
思い出せそうで思い出せない、そんなじれったい感覚に眉間にしわが寄る。
「うーーー」
ああーー。
全っ然思い出せない。
なんとか答えを導き出そうとそれからしばらく粘っていたけど、向かいから聞こえた微かな笑い声に私は顔を上げた。
視界に飛び込んできたのは、顔を横に背けて笑いをこらえてる辻村くん。
私は思わず首を傾げた。