初恋シグナル~再会は恋の合図~


家を出ると、沈みかけた夕陽が私たちを照らした。


もう少し日が落ちればだいぶ涼しくなるんだけどな、なんて考えながら、西日に染まる道を辻村くんと並んで歩く。


きっと太陽にあたためられているであろうアスファルトに、ふたりぶんの影が伸びていた。



家からコンビニまでは、歩いて10分といったところだ。




「いらっしゃいませー」


他愛のない会話をしているうちに、目的地に到着。


コンビニの自動ドアが開き中に入ると同時に、寒いくらいの冷気が私たちを包んだ。


思わず、涼しい!と笑顔になる。



「アイスアイス」


「子供かよ」


財布を両手で握りしめ、うきうきと言った私に、辻村くんは苦笑した。


「いいでしょ、別に!」


どれにしよう、と迷う私の横で、小さな笑い声が聞こえた。


……なんか、今日は辻村くんに笑われてばっかりだ。

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