初恋シグナル~再会は恋の合図~
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「おつかれさま」
「おー」
試合後、ユニフォームから着替えてきた辻村くんは、あの熱戦が嘘のようにあっさりとした態度だった。
もうすでにほとんどのメンバーは着替えを終えて各々帰路についている。
私も帰る仕度はとっくに済んでいたけど、話がある、という辻村くんの言葉を思い出して待っていたのだ。
ふたりで並んで歩き出す。
「……」
なんだ、この沈黙。
ていうか辻村くん、勝利の立役者なんだから、もっとテンション上げればいいのに。
あのとき。
辻村くんが放ったシュートは、力強くゴールを揺らして。
その後すぐに、試合終了のホイッスルが鳴ったんだ。
……うちがあの藤桜に勝てたなんて、まだ信じられない。